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 諦める・・・?境地は、生まれてきません。ということは、人々には、困難を克服する、強固な底力が備わっているのです。

 この力が、自我です。
 何故人々は、これほどまでに、自我にしがみついて、いるのでしょうか。
 それは、計り知れない前世からの、深い因縁が、あったからです。
 もう、これまでです。

 ここから先は、この世の話では、なくなります。

 「いつまでも、明けぬ暮れぬといとまなし、身は限りあり、事は尽きせず。」  古歌
 「たおされし、竹はおのずと起き伸びて、たおせし雪は、跡形もなし」     古歌
 「娑婆なれば、同宿申す阿弥陀どの、後の世たのむと、おぼしめすなよ」    古歌

 以上、これが私、愚物聖亮(ぐぶつせいりょう)の「わめき」です。

 生者必滅(しょうじゃしつめつ)・・・生きていれば必ず死にます。
 会者定離(えしゃじょうり)・・・出会った人とは別れます。

 これが諸行無常(しょぎょうむじょう)です。
 無常は、無情では有りません。人々が無情に生きている限り、「諦めること」は出来ません。無常を悟れば、いずれ人々に「諦めの」時が、やって来ます。

 合掌   二〇一三年二月二五日     加藤不譲


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