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 人は「オギャーオギャー」と泣きながら、生まれると同時に小我が芽生え、「乳をくれ、おむつを替えろ」と母 を困らせながら、いつの間にか、小我を自分だと思う人に育っていきます。すると小我は、この世の中で俺が一番偉 い、俺に勝る者は無い、と、うぬぼれる様になり、自己中心の自我が固まっていきます。

 するとこの自我に人々は振り回され、(いさか)いを重ねながら、自己主張の度に、我を張 るようになって行きます。
 この様な自我も含めて、釈迦は、ただの我(唯我)を、一人尊い(独尊)と言われました。

 ええっ、「うぬぼれ」を尊いと言われたのですか。
 はい、その通りです。

サールナートの説法 (三)

 釈迦は二十九歳で出家しました。それから六年、難行苦行して、山を下りて後、しばらくして、菩提樹の木の下で大 我に目覚めました。
 つまり小我の拘りから離れて、大我の目が開いたのです。
 この大我の目覚を、悟りと言います。

 ここで、釈迦は初めて説法を行い、中道縁起四諦(したい)八正道(はっしょうどう) を説かれました。

 中道とは   なかほどの道を行く事です。


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