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 ですから私達は困るのです。
 どちらか一つだけなら、問題は、起こらなかったのですが、この二つが同居しているために、私達は「戸惑い(いさか) い、迷い傷つき、足掻(あがき)き苦しんで」います。
 この居場所を、別けて作ってくれれば、私達はオドロオドロシイ戦いの血を流さなくても済んだのです。ですから 人類の犯した罪は、宇宙創造の主にあります。
 この事実を(しっかり)りと、閻魔大王(えんまだいおう)に伝えなければ成りません。

 なるほど、その通りです。
 でも、本当にそうなのでしょうか。
 自我と性根玉は、なぜ腹中深くに同居しているのでしょうか。
 ここには、深い訳が隠されていました。

 自分とは、この世の中に、一人で生きているのでは有りません。大勢の人々が、自分と同じように、「独り善がりのうぬぼれ」のために、互いを押しのけ、諍いを繰り返 し、喜怒哀楽のせめぎ合いに生きています。
 なぜ人々は、仲良く手を(たずさ)え、助け合って生きて行くことが出来ないのでしょうか。

 それは宇宙創造の主が、わざと仕掛けた、カラクリだったからです。
 このカラクリは、「自我と性根玉」が作り出す困難を、人々が自分で見極め、自分で克服できることを悟るために、創造主が仕掛けたものだったのです。

 貴方は「六地蔵(ろくじぞう)」をご存じですか。この世には六つの世界があります。

   地獄(じごく)我鬼(がき)畜生(ちくしょう)修羅(しゅら)人間(にんげん)菩薩(ぼさつ)


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