にか、無分別な科学者の研究によって、人々は人類存亡の危機にたち至ってしまいました。
科学と私達 (九)
この危機的状態から、私達は這い上がる事が出来るのでしょうか。科学者は人間を無視しています。「宇宙は、百
三十七億年前にビックバーンで出来た」と言います、しかし私達の現実は、恐ろしい終末の嵐が吹き荒れています。
科学者は、何をしようとしているのでしょうか。
あれだけ放射能をまき散らし、人々を恐怖のどん底に突き落して置きながら、さらに十万年の永きに渡って汚染は
消えないという、考えられない大罪を犯した張本人なのに、どうして私達の困難とは無関係なのでしょうか。この
不条理こそが、私達の生命を脅かし、存在の意味を無にする、人間いじめの極限では無いでしょうか。
人々は、科学より前に、生きていました。
この時代は、心と宇宙は一体であり、困難の克服には無くては成らない得難い関係でした。ですから人々は、この二つを照し合せて生きていました。
ところがいつの間にか、この二つが無縁に成り、心は社会の隅に追いやられてしまいました。
なぜなら、科学者は、心は科学の研究には必要ないと考え、宗教家は、宇宙を崇拝する神にしてしまったからです。
ですから「心と宇宙」の悲劇は、ここから始まりました。研究者は対象を客観的に捉えて研究するものであり、
主観を研究するには、客観的に主観を捉えなければ成りません。