仕切るということ

伝統的な日本の住空間は、夏の蒸し暑さをいかに過ごすかに重点が置かれています。
壁が少なく解放的な構造で、横への広がりを中心とした空間です。


襖や障子を開け放ったとき、何かホッと安らぎを感じたことは無いでしょうか。

日本では欧米のように壁を造らず、取り外し自由な構造で空間を自由に延び縮みさせて来ました。

永い習慣によって壁で周囲を囲う事に、少しばかり窮屈な思いを抱かせることが有るようです。

だからと言って何も無い空間は、やはり落ち着かないものです。


そんな時、透ける素材によって空間を仕切って見てはいかがでしょうか。

意外に落ち着きが生まれるようです。
何もなかった時よりもかえって広がりを感じるようにもなります。

これはほんの少し視野が遮られることによって、その向こう側をより知ろうとする意識が生まれるからです。

まったく向こう側が見えない時には感じないことが、少しだけ見せられることでかえって興味をそそられる。

チラリズムが、空間にも生かされるということでしょうか。


シルクオーガンジーは光の当り具合で表情が随分変わります。
明るい部屋と暗い部屋の間に使うと、その効果がより発揮されます。

背景が暗く手前が明るい場合はオーガンジーの在感感がより引き立ち、逆に背景が明るい場合は透け感が強調されます。

そしてほんのわずかな空気の流れで、静かにゆらめいて心地よい刺激をくれます。

「目」で「風」を感じるという日本人の感性と美意識が、空間に「華」と「涼」を感じさせてくれます。

Topオーガンジー