* 中央に位置するのは、「不動明王」という仏様です。
大日如来が人々の悪心を調伏するために忿怒の姿で現れたものであり、如来の命を受け、仏法を障害するものに対し怒りをもって対決する使者(教令輪身といいます)であるとされています。
また、その威厳に満ちた容貌から、全ての災魔を屈服させると言われ、さらに難行苦行に立ち向かう修行者を守護すると信仰を集めています。
* 北方に位置するのは、「金剛夜叉明王(こんごうやしゃ)」という仏様です。
不空成就如来の権化とされる明王。煩悩を打ち砕く法具である金剛杵を持ち、インドの鬼神で仏法を守護する尊格であります。
古くより調伏や息災の本尊として信仰されてきた明王であり、金剛薬叉と表記されることもあります。
* 東方に位置するのは、「降三世明王(ごうざんぜ)」という仏様です。
阿弥陀如来の権化とされる明王。過去・現在・未来の「三世」、あるいは欲界・色界・無色界の「三界」にわたり諸悪を退け、貪(とん=貪り)・瞋(じん=怒り)・癡(ち=愚かさ)の「三毒」を滅ぼすとされている明王です。
* 西方に位置するのは、「大威徳明王(だいいとく)」という仏様です。
無量寿如来(阿弥陀如来)または文殊菩薩の権化とされる明王。西方を守護し人々を害する毒蛇・悪竜や怨敵を征服するとされる明王で、古くより戦勝祈願の本尊としても信仰されていました。その名が表す通り、大いなる威徳を持つ明王であります。
* 南方に位置するのは、「軍荼利明王(ぐんだり)」という仏様です。
宝生如来の権化とされる明王です。頭に髑髏を冠し、首や手足に瓔珞や臂釧として蛇を巻きつけた姿で表されます。蛇が執念深い動物と考えられることから、悪心を 飽きることなく懲らしめるとされている明王であり、阿修羅や悪鬼から人間を守護し、障害を取り除いてくれる明王と信仰されております。
別称の「甘露」はインド神話でamrta(アムリタ)と呼ばれる不老不死の霊薬のことであり、軍荼利明王は特に息災延命の威力に勝れた明王であるとも言われています。
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