「干支・守り本尊」の特徴と制作のポイント

子年 (キリク)千手観音 正式名称は「十一面千手千眼観自在菩薩」
頭上に十一面、中央の二臂を除いて左右に二十臂、合わせて四十臂。
手一本が二十五の働きを表す。同時にそれぞれの手に目が一つずつ付いてい
るため千眼となる。

* 千手のイメージを左右十本ずつの線で表し、様々に変化する観音の姿を赤
という明確な色で表現。

丑寅年 (タラーク)虚空蔵菩薩
虚空蔵菩薩は鳥獣虫魚、諸天善神などに身を変じて、種々のご利益を授けると
されている。
中でも知恵や記憶力に効果があるとされ、芸術や技能のような才能にもご利
益が有るとされる。

* 梵字の形の面白さと、「芸術や技能」の厳としたイメージを、方形の整然とし
た形に表現。

卯年 (マン)文殊菩薩
普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍を努めるが、独尊として祭られる事も多い。
「三人寄れば文殊の知恵」といわれるように智慧を司る菩薩とされ、
奈良の興福寺では毎年四月二十五日には文殊会が開かれ、学問成就祈願の
仏として親しまれる。

* 「学問」を縦のストライプで、「智慧」を丸で表し進展と調和を表現。

辰巳年 (アン)普賢菩薩
文殊菩薩と共に釈迦の脇侍を勤める。仏の慈悲を象徴し、人々を救うための
願を多く持っている。
広い範囲のご利益がある菩薩とされる。「普賢菩薩十願」は、人々が仏の道に
近づくための大きな指針となるもの。
悟りを開くために必要な、根本の原理「理」、心を乱さず一つの事に専念する
状態をあらわす「定」、一切の存在すべてをあらわす「行」、という仏の徳をす
べて司る。

* 円を十分割して「十願」とし、放射状に拡がる姿で「すべての徳」を表現。

午年 (サク)勢至菩薩 正しくは大勢至菩薩という
観世音菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍を努める。智慧第一の菩薩。観世音菩
薩(聖観音)と同様に左手に蓮の花を持っている。
聖観音は宝冠に阿弥陀仏を、勢至観音は水瓶をつけていて区別がつく。

* 極楽の池に咲く蓮の花をイメージし、蓮の花の色と泥の上に浮かぶ仏の姿
を表現。

未申年 (バン)大日如来 摩訶毘盧遮那如来ともいう 奈良東大寺の大仏
「宇宙に遍く存在する一切のものは大日如来である」というのが密教の宇宙観
であり、その中心に大日如来が存在する。
絶対的存在であり、その智慧の光明は昼や夜に関係してしまう太陽の神を超え
るとされる。
全体を統一する仏で、他の諸仏諸菩薩は大日如来の化身であるとされる。

* 「宇宙に遍く存在し、すべての諸尊の本である大日如来」を、全方位に光明
を放っているイメージで絶対的な存在として表現。

酉年 (カーン)不動明王 酉年の守り本尊として有名
すべてを体現する大日如来の権化。煩悩に苦しむ人の心を清き炎で焼き尽く
す。悪しきものを滅ぼし、悪しきものから守る。
激しい怒りの形相と、無邪気で活発な子供の姿をして無垢で一途な性格を表し
ている。子供の使いのごとく大日如来の意思を代行し活発に動き回る。

* 不動と言う名前にかかわらず激しく動き回る姿を、火炎が渦巻く姿に重ね
合わせて表現。

戌亥年 (キリク)阿弥陀如来 別名 無量寿如来 鎌倉の大仏
「真心から浄土を願い求めて念仏したならば、必ず極楽浄土へ往生できる。」生
前の行いによって、迎えに来る阿弥陀如来の姿が異なる。
九種類に分けられ,連れて来る菩薩の数が順に減っていく。一番下は蓮華だけ
になるとされる。雲に乗って、大勢の菩薩を引き連れて天空から降りてくる様子
を描いた「阿弥陀如来聖衆来迎図」がある。

* 空間に浮かんだ神々しい姿、五大(地水火風空)の西を表す赤色で創られ
た如来もあることから、西方の極楽をイメージして赤色で如来を表現。
 


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